膝に水がたまる原因は?水を抜くと癖になるってホント?

患者さんからよく聞かれる膝の水についてお話します。

 

前回の腰痛同様、膝が痛い患者さんはたくさんいらっしゃいます。

日本人は6人に1人が関節に不調を抱えていますが、中でも「膝関節」の痛みが最も多いとされています。

50歳以上の半数が膝痛を経験したことがあると言われているほどです。

 

そして、膝痛について回るのが「膝の水」です。

膝に水がたまるとはどういうことか?なぜ膝に水がたまるのかを解説していきたいと思います。

 

まず、どこに水はたまるのでしょうか?

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膝のお皿の上あたりです。ここに水はたまります。

 

膝の水(関節液)を作っているのは「関節包(かんせつほう」と言われる関節を包む袋です。厳密に言うと、滑膜ヒダ(その袋の内側にあるヒダ)が水を作っています。

関節の中は常にその水で満たされていて、関節の動きをスムーズにしてくれたり、関節の中の組織に栄養を与える役割を担っています。

 

関節の中の何かがヒダを刺激すると水が過剰に分泌されていわゆる「膝に水がたまった」状態になります。

具体的に、ヒダを刺激するのはすり減ってしまった膝の軟骨の粉や痛んだ半月板がヒダを刺激してしまうことが多いです。

 

結局、なぜ膝に水がたまるのかというと、関節を包む袋が炎症を起こした結果水が溜まるのです。

関節の袋が炎症を起こす原因は、関節の中にある(軟骨や半月板)ので、裏を返せば膝に水がたまるということは関節の中の組織が壊れてしまっているサインということになります。

 

では、膝の水を抜くと癖になるのでしょうか?

答えはNOです。

 

膝の水が過剰分泌されるというのは、誰にでも良く起こる現象で例えると「鼻炎」のようなものです。花粉が鼻の内側の膜を刺激すると鼻水がたくさん出てきますよね?それと同じです。

 

鼻をかむと鼻水は外に出ていきますが、膝の場合はそうはいきません。

関節の中は密封されているわけなので、それを抜こうと思ったら注射で水を抜くか、自然に吸収されるのを待つことになります。

 

先ほどご説明したように関節が炎症を起こした結果、膝の水が過剰に分泌されるので、いくら膝の水を注射で抜いても炎症が治まらない限りは膝に水がたまります。

鼻炎も鼻をかんでもかんでも鼻水は出てきますよね。

 

なので、膝の水を抜いたから水がたまるのが癖になるのでは無く、膝の炎症が残っているせいで水がまたたまってしまうのです。

 

今回は膝に水がたまる原因についてお話させていただきましたが、膝に水がたまると膝の筋肉が細くなってしまったり、徐々に膝が曲がらなくなってしまうこともあるので決して放置してはいけません。

基本的には膝の炎症が治まれば、膝の水は正常な量に戻るので炎症が治まるように治療すれば大丈夫ですが、長期間膝に水がたまるようであれば一度注射で水を抜いてもらったほうがいい場合もあります。

膝が悪くなってしまうと歩くのも困難になる場合もあるので、不安がある方は専門家に一度みてもらうようにしましょう。

 

まとめ

膝関節を包む袋が内側から刺激されて炎症を起こすと膝に水がたまる。
膝関節の炎症が残っていると注射で水を抜いてもまたすぐに水がたまる。
長期間膝に水がたまっていると膝の筋肉が細くなったり、膝が曲がらなくなったりする。

 

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投稿者 白くま先生