ヘルニアは整骨院で治るのか
持病でヘルニアをお持ちの方は多いのではないでしょうか?
一言にヘルニアと言っても「ヘルニア」自体は「脱出」や「突出」を意味する言葉で、人の体はあっちこっちでヘルニアを起こします。
今回のヘルニアで指す部位は首や腰の話なのですが、首のヘルニアを「頚椎椎間板(けいついついかんばん)ヘルニア」、腰のヘルニアを「腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニア」と言います。
因みに、おへそが出ているでべそは「臍ヘルニア」、腸が飛び出す脱腸は「腸ヘルニア」と言います。
その腰椎椎間板ヘルニアや頚椎椎間板ヘルニアが整骨院で治るのかという話なのですが、「治る」の定義によると思います。
そこの所を詳しく説明していきますね。
椎間板ヘルニアとは
まず、椎間板とは背骨と背骨の間にあるクッションです。椎間板の構造は大福餅の様な構造で、核となるあんこを柔らかい皮が包んでいるイメージです。
その椎間板がつぶれて中身の核が外に飛び出したり、出っ張ってしまった状態を椎間板ヘルニアと言います。
椎間板は多くの水分を含んでいますが、歳と共にその水分が抜けてしまいます。大福餅も作りたてはぷにぷにですが、常温放置するとカピカピになってひび割れてしまいますよね?
具体的に何歳くらいから椎間板が脆くなるのかというと、腰の場合20歳以降、首の場合30歳以降に椎間板ヘルニアを発症しやすくなるとされています。腰と首だと腰の方が負担がかかりやすいので、腰の方が若くして悪くなってしまうのです。
ヘルニアが治るの定義ですが、仮に「壊れてしまった椎間板を修復する」ことを治るとするのであれば、それは不可能です。基本的に壊れてしまった椎間板は再生することはありません。
ですが、「ヘルニアによって出現する症状を改善する」ことを治ると定義するのであればそれは可能です。
実際、椎間板ヘルニアが原因で体の不調をきたすとすればどのような症状が出るのかですが
腰椎椎間板ヘルニアの場合
・脚の痛みやシビレ
・脚の感覚麻痺
・脚に力が入れにくい
頚椎椎間板ヘルニアの場合
・腕の痛みやシビレ
・腕の感覚麻痺
・腕に力が入れにくい
などがご自身で感じやすい症状の代表です。
上記の症状は度合いによりますが整骨院で治療をして改善することが多いです。
期間としては2~3割の人は2週間、7~8割の方は3ヵ月で症状が改善することが多いとされています。
ただ、注意が必要な点があります。
・急速に進行する運動麻痺(一気に脚や腕に力が入らなくなる)
この二つの症状がある場合は命に関わったり、麻痺が残る可能性があるので、すぐにお医者さんに診てもらう必要があります。とにかくすぐにです。
また、あまりにも痛みが強すぎて我慢できない場合もお医者さんに診てもらう必要があります。
ここに該当しなければ整骨院の治療で十分良くなる可能性が高いです。
「ヘルニアって絶対手術しないとダメなんじゃないの?」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、実はそうではなく、手術をしたケースとしなかったケースで長期的に状態を観察していくと、両者に差が無いというデータがあるくらいです。
患者さんの年齢、スポーツ選手か否か、生活様式はどうかなど、様々な条件でヘルニアの治療方法は変わります。
そもそも、今抱えている症状が椎間板ヘルニアのせいで起こっているものなのか、そこの判断も必要です。MRIを撮影して腰や首にヘルニアがあっても体の不調をきたしていない方もたくさんいらっしゃいます。
ヘルニアが腰や首の神経に触れて、神経が炎症を起こすことで出てくるのが本当のヘルニアの症状なのです。なのでヘルニアがあっても神経に触れていなければ症状が何も出ていないことも少なくないです。
「ヘルニアがあるから腰痛は治らないよね・・・」と思っている方も是非一度専門的な医療機関、治療院で診てもらってみてくださいね。
まとめ
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